変形
インスタレーション
ポルトガル・メセジャナで収集した素材で制作したサンゴ礁。安価で手に入りやすいプラスチックの使用や環境への影響、私たちとの関係性について問いかけている。
7日間: 使用する素材を地元から集め、加工。様々なレイアウトを試行。寒天を用いた琥珀糖(5日間乾燥させる)と白玉を料理。インスタレーションを設置。
食べられない部分: オリーブの木の枝、ユーカリの木の枝、コルク、陶器の破片、石、ブーゲンビリア、リサイクルされたプラスチック
食べられる部分: 白玉団子、寒天、ココナッツ繊維、きな粉、黒糖
メセジャナ周辺を歩いていると、道端に多くのゴミが落ちていることに気がつく。中でもペットボトルやお菓子の袋などプラスチックゴミが多い。青い空に太陽、緑の丘など、「自然」が美しい場所なのに、なんだか残念に感じた。
この率直に感じた残念な気持ちは、プラスチックという「人工物」が「自然」の中に落ちている、という違和感から来るものだ。
確かにプラスチックは石油を加工して作られている。しかし石油は、太古に死んだ有機物やプランクトンの死骸の「変形」である。プラスチックは「人工物」のように思われているが、実はその存在は生物の長い歴史の上で成り立っているのだ。
日々の生活の中で、この事実を知り、思い出す人がどれだけいるだろうか。プラスチックの美しさや尊さを知ってもらうことで、使い捨ててしまう行動に変化が生まれるかもしれない。今回のインスタレーションは、そういう想いのもと制作されている。
インスタレーションの制作にあたって廃棄物を少なくするため、道端に落ちている葉っぱや地元の職人がもう使わない廃材を拾い集め活用している。
「自然は常に変化している」「変化することが自然である」ことを示すため、ブーゲンビリアの花の色も、ピンクやイエロー、その中間をピックアップしている。
食べられる部分については、白玉と寒天ゼリーで、海の中のサンゴとプランクトンを表現している。
Date:
2020-05-17
Category:
Art