愛知県出身。
津田塾大学で国際開発学を専攻。
卒業後は、国家公務員として安全保障分野での国家間交渉に携わり、その後デンマークでの生活を経て、ウェブメディア会社でライター・編集者として勤務。
「食」にまつわる営みを通じて、現代社会における人と人、人と人以外のものとの関係性をテーマに作品を制作。
2021年現在、東京藝術大学大学院グローバルアートプラクティス学科に在籍。
大学キャンパス内でヤギの世話や畑作業をしながら、日常生活の中の美しい技(アート)を大切にしている。
私の作品は、現代社会の中で、人間がいかに周辺環境と呼応し合いながら生きているのかを探求し、新たな関係性が発酵する場を創り出そうとしている。その最も根源的な方法の一つが、「食」にまつわる行為だ。「食べる」という営みは、別の物質を自分自身に取り込むという意味で本来危険であると同時に、自分の身体と心をケアするために実践されてきた。様々なものが分断され、対立する現代社会において、「食」という行為は、人間同士や人間と人間以外のものとの関係性を紡ぎ直す一助となるだろう。
現在、対面、手紙、電話に加え、ソーシャルメディアやビデオチャットなど、情報を伝える手段や情報量は増加しているが、早急な解釈や一方通行なコミュニケーションも増えているのではないだろうか。呼応すること(コレスポンダンス:correpsondance)やコミュニケーション(communication)は、その接頭語com(共に)が示す通り、相互作用である。古今東西で実践されているコミュニケーション方法を現代社会の中で再編集しながら、他者と何かを共有する方法を探求したい。時には痛みやじれったさを伴うものだが、よりよく生きたいと願うのならば、我々人間は、一体どのように世界と呼応していけばよいのだろうか。